モンゴルの走り方

    
 
 


 モンゴルは、英語が通じないので、
 38歳の日本語が出来るモンゴル女子ガイドと
 31歳の英語も出来ないモンゴル男子運転手と
 トヨタ4WD車をチャーターしました。
 2人とも、完璧に感じいい、
 おもてなし上手なモンゴル人でした。
 
 草原の道なき道を走って、
 トヨタ4WDのタイヤは、
 ついにパンクしてしまいました。
 運転手が、ひとり雪の中で、タイヤを交換しました。
 
 そんなアクシデントを乗り越えて、
 70kmの道のりを運転して、
 やっとウランバートルに帰って来ました。
 ウランバートルの街中に戻ると、
 かなりほっとしました。
 私はやはり、都会でしか生きていけません。
 
 ウランバートルの歩道を歩く人々は、
 ファッショナブルで、目的を持って、
 生き生きと歩いているように見えました。
 
 「明日は、『13世紀村』に行きます。
 服装は、今日のままで良いです。」
 と、日本語を話せるガイドさんが言いました。
 え?最終日は、この都会で遊ぶんじゃないの?
 
 13世紀村というのは、100km先にあると言うのです。
 しかも、ゲルのある国立公園を通り越して、
 さらに向こうまで行くそうです。
 おいおい、日帰りで100km先まで行くのかい?
 なら、ゲルから直接行けば良かったじゃん。
 
 と、納得出来ませんでしたが、
 従うしかありません。
 その夜は、都会のレストランで食事し、
 都会のホテルの快適さを満喫しました。
 
 翌日は、昨日通った道を再び、草原へ向かいました。
 草原を駆ける4WDは、
 トヨタ車の性能と、運転手の技能を遺憾なく発揮します。
 
 「この雪に残る3本のわだちの、
  どこから攻めるか?
  一番右か、行った〜〜。
  あの三角の石、踏んだらまたパンクするぞ〜〜。
  ギリよけた〜〜。さすがや〜〜。」
 とか、窓のグリップをしかと掴み、力が入ります。
 
 そうです。
 これこそ、モンゴルの最大のアトラクションだったのです。
 大草原を見るだけでは、
 その広さは、分かりません。
 写真にも、とてもおさまりません。
 
 この大草原を馬で走ったり、
 バイクで走ったり、4WDで走るのが、
 草原を遊ぶ、ということなのです。
 
 100kmのアトラクションの後、
 辿り着いたアミューズメントーパークは、
 チンギスハーンの13世紀のゲルが、
 ポツンポツンとある、笑っちゃうほど素朴な観光地でした。
 
 当日の客は、私たちだけでした。
 駐在員が、私たちのためだけに、
 13世紀の昼食を用意して、待っていてくれていました。
 
 そしてまた、大草原を100km走って帰りました、
 再び手に汗をにぎり、大興奮しました。
 そして存分に、大草原を味わったのでした。

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